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ここは、松下好之助平宅
一代で世界の松下伝奇産業を築き上げた好之助平は今、死の床についていた。
側近「会長、ご気分はいかがですか」
松下好之助平「ワシはもうアカン。もうすぐお迎えがくる」
側近「御意(+_+)\バキッ!、
いっ、いや会長そんな弱気なことおっしゃらずに。まだまだ会長にはがんばっていただかないと困ります。」
松下好之助平「覚悟はできとる。もはや、やりたいことは全て成し遂げた、何も思い残すことはない・・・・・・。いや、たったひとつを残してな」
側近「たったひとつ?」
松下好之助平「そうや、たったひとつ。あのプロジェクトだけが心残りや」
側近「ナショナルパームプロジェクトですね」
松下好之助平「いや、パームアイドルを探せ!や。あれに一度出演したかった・・・・・」
側近「私的には是非、Bluetoothの活用方法に出演して欲しかったですがって会長、最後までボケないでください!!」
松下好之助平「パームを全国民に。あれだけがワシの人生の中で唯一果たせなかった野望、ただひとつの心残りや・・」
側近「いえご安心ください。やがていつか会長の夢がかなえられる日がきっとくるはずです。」
松下好之助平「本当か?」
側近「本当です。その昔、板垣退助は”板垣死すとも自由は死なず”と言ったそうですが、”松下死すともパームは死なず”です。会長が死んでも(死んだら)、パームはきっと大いに繁栄するでしょう。」
松下好之助平「根拠ある説明に全然なっていないが・・・・・・・。
それほどまでワシに死んで欲しいのか」
側近「いっ、いえとんでもありません。では、こういうのはどうでしょう。
我々のようなパームを見たことも触ったこともない人間をこれだけ夢中にさせる力をパームは持っているのです。そんな素晴らしい製品が、世の人々に受け入れられないはずがないではありませんか!!」
松下好之助平「全く説得力がない。しかしまあ良しとしよう。考えてみればたしかにパームのことはいまだ良く良く分からんが、とにかく楽しかった。ワシの人生最後の情熱をかけるに値した・・・・・・・・・・・
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側近「かっ、会長!!」
松下好之助平「いよいよお迎えがきたようじゃ。最後にパームを愛する国民に言い遺したいことがある・・・・・・・・・・・」
側近「会長!」
松下好之助平「人と人を結びつけ・・・・・・・・・・・・・人を成長させ・・・
・・・・・・・・、そして人々の生活をより良いものへと進歩させる・・・
そんな、人と時代のアシスタントに、Palmはなって欲しい・・」
側近「ど、どこかで聞いた話のような気がしますが・・・・・・・。会長〜、お願いしますよ〜、まったく・・・・・・・あれっ?、会長????」
不思議なことに、今まで側近の前で横たわっていた松下好之助平は忽然と姿を消した。
そして、側近の意識も急激に失われていった・・・・・・・・・・・
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「課長〜、課長〜、課長〜」
どこからともなく聞こえて来る愛らしい声で、側近は意識を取り戻した
会長秘書Y子「あの〜課長、会長がお呼びですが。」
側近「あれ・・・・・・・。ここは一体?」
「随分と気持ちよく居眠りされていたようですね。先ほど会長から電話があり、至急来て欲しいとのことです。」
側近「会長って・・・・・・。松下会長?」
「も〜、何言ってるんですか課長、寝ぼけて〜。早く行かないと叱られますよ。」
半信半疑のまま会長室に駆けつけた側近は、恐る恐るドアをノックした。
側近「会長、お呼びでしょうか。」
会長室の大きな机には、いつもの見慣れた、少し厳しい表情を浮かべた会長が整然と座っていた。
側近は改めて我にかえると、何故か少しだけ心の中に寂しさを感じながらも、姿勢を正して会長の前に歩み寄った。
会長「おう待っていたぞ。実は最近行ったモバイル市場に関する調査によると、今後数年で携帯電話に代わってPDAが急速に大きな市場を形成するそうだ。わが社もうかうかはしておれない。さっそくプロジェクトを立ち上げたい。」
側近「PDA・・・・・・・・・・・ですか・・」
会長「そう、PDAだ。とりあえずプロジェクト名だけは決めた。早速準備に取り掛かってくれ。」
有無を言わせない調子でそう告げた会長は、プロジェクト名が記された1枚のシートを、側近に手渡した。

パームを全国民へ
−ナショナルパームプロジェクト−
【ナショナルパームプロジェクト 完】
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